Special Person Interview

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SOFT DARTS 上達法 No.3 vol.83 2017年1月 「私が語るダーツの秘密」 松本 嵐

グリップについて

自分自身で研究」

今までにグリップは変わっていますか?
 だいぶ変わりましたね。

 

松本選手はダーツを始めてどのくらいになりますか?
 15年です。今年16年目ですから長いですね(笑)。

 

その間にだいぶ変わったというわけですね。
 ダーツを始めて2年くらい経ってから大会に出る様になったんですが、当時のBurn.の動画などを見ても全然違いますからね。変わりまくってましたね。

 

それはいろいろ試していたということですか?
 グリップだけではなく全体に言えることですが、僕は意識して投げ方を変えたことはないんです。単純にどうやったらダーツがターゲットに入るかということだけを考えていました。他のプレイヤーは手元がこうだから結果こうなるという風に、手元からボードに向かって順番に考えていくと思うんです。でも僕の場合は、ボードの狙いたい場所から逆算するんです。ボードに到達するまでの軌道があって、放物線の最上部の位置があって、リリースがあって、テイクバックがあって、構えがあって、というように逆に考えるんです。そうするためにはどうしたらいいかということを考えているうちに、持ち方もだんだん変わってきたのだと思います。


他のプレイヤーのグリップは参考にしますか?
 参考にはならないですね。ならないというのはおかしいですが(笑)、遊びで真似したりするくらいですね。僕の場合は自分のグリップは自分の理論として持っているので、他人のグリップを真似してみようと思ったことはないです。

 

自分自身で研究しているということですね。
 はい、そうです。

 

今のグリップにももちろん理由があると思いますが、最重要ポイントはどこですか?
 ダーツを点で持たずに面で持つということですね。グリップと言うとどうしてもつまむイメージになってくると思うんですが、ダーツを発射する時に点で押さえていると、その点が離れてしまった瞬間にバランスが崩れますよね。そこに遠心力とダーツを押すための力が加わって、ダーツが安定すると思うんです。僕の持ち方というのは、スローの流れの中で包み込んでいるダーツをリリースにもって行くという感じなんです。持ってる物を投げるという感じじゃないんですよね。

 

手とバレルに一体感があるんですね。バレルを投げるというのではなく、手の延長線上にバレルがあるという感覚ですね。
 そうです。

 

ゲーム中にグリップを変えることはありますか?
 もし調子が悪かったとしたら、グリップ以外の方法で調整しますね。ゲーム中にグリップを変えるのはさすがに怖いです。終わってから「今のはどうしてだろう」と考えたりしますが、それでもグリップを変えるのではなく、ダーツを持つ位置を変えてみるという感じですね。

四季があり気温や湿度が変わりますが、季節によっての対処法というのは?

「バレルを変える

 これは僕も失敗したことがあるので、どうしたらいいか考えますね。季節によっては、グリップよりもバレルのタイプを変えた方がいいんじゃないかと思うくらいですね。季節によってグリップを変えるとなると、2パターンの練習をしておかなければならないわけじゃないですか。それよりも接着面積や指のかかり具合が変わるバレルを選ぶ方が、季節の対処法としてはいいかもしれないです。

 

失敗と言われましたが、どういう失敗だったのですか?
 確か台風が来ていたのか、めちゃめちゃ湿度が高い日があったんですけど、ホントに突然おかしくなったことがあるんです。湿気でべたべたになってダーツが手に付きまくって、リリースが思う様にできなくて、あまりにもひどい結果に終わったんです。その時はショックすぎてかなり落ちました。それ以来やっぱり湿度の高い日は悩まされますね。指に滑り止めを付けたりする対策も考えたことはありますが、僕が行き着いたのは何タイプか道具を変えるという方法ですね。
 テニスの錦織圭選手は、試合会場にラケットを10本持ってくるらしいですが、ダーツプレイヤーがダーツを10セット持って行くというのは現実的には難しいですよね(笑)。やはりトップ選手というのはそれだけの備えをして、様々な状況に対応できるようにしているんだなと、つくづく感心しました。技術面の向上に対するバイブルはいくつかあると思うのですが、技術だけでない例えば試合への構え方なども大切だと思います。

 

構え方について、最初に立つ時に気をつけているのは?

縦のライン」

 僕の場合、身体は縦軸を基本にしているので、ボードに対してはそんなに開かないです。真正面に立つわけではないですが、20から3の縦のラインと、頭のてっぺんから足までの縦のラインが、一緒になるように意識しています。

 

スタンスはいかがですか?

今も分からない」

 右足が前で、ほぼクローズ状態です。みんなと違うのは、僕の場合つま先立ちになってるんです。

 

10年くらい前の松本選手は揺れながら投げてましたね。周囲も「あれでどうして入るんだろう」と驚いていた記憶があります(笑)。
 そうですね。ずーっと前は片足で投げてましたね(笑)。なるべくターゲットに目線が合うところまで持っていきたくて、ボードに少しでも近く高くなるようにしていたからです。下からターゲットを捕らえるよりも、上から捕らえる方がずっと楽ですからね。それでなるべく背が高くなる様にすると、片足立ちで伸び上がる様な姿勢になったんだと思います。
 それが良いのか悪いのかはわからないです。距離を近くして不安定がいいのか、それとも距離が遠くてもいいから安定した方がいいのか、これは永遠の課題かもしれないですね。

 

左右の足の加重配分

ほぼ右足に全加重」

 昔は左への加重はないようなものでしたね(笑)。今は構えた瞬間は着いてますが、それも「少しでも着けておいた方が失礼じゃないかも」という程度のものなんで(笑)、ほとんどないに等しいですね。9.5対0.5というか、左足に意識を持ってくるかどうかなんですよね。
 他のプレイヤーからしたら、「意識じゃなくて普通着くでしょ」って思われるかもしれないですが、僕の場合左足の役目というのは動物のしっぽの感覚と同じなんです。腕の振りというのは縦から出るものなので、左右がぶれない様にするために縦の軸を作っていれば、体重の移動というのは縦軸にしか動かなくなります。その状態で腕を振ると逃げる力が発生するわけですが、その逃げる力を左足でコントロールしてる感じです。

 

他のプレイヤーよりも左足で悩んでいるということでしょうか。
 僕の場合は、悩むこともあると言えばありますね(笑)。本当ならしっかりと左足を地に着けて、地を蹴るくらいなイメージで安定させて、力が逃げないようにした方がいいのかとは思うんです。前に力を向けるということは後に力が逃げるわけで、その分ロスが発生しますよね。その力を逃がさないためには左足を地に着けることですが、僕の場合はその逃げる力を振り子の様に利用してるんです。本当なら着いていた方がいいかもしれないですね(笑)。

 

肘の位置は投げ始めた頃と比べると変わりましたか?

「肩と肘を同時に意識」

 変わりました。だいぶ下がりましたね。始めた時が極端すぎたんですよね。初心者を教えると、だいたいグリップ位置を前で構える人がほとんどです。そうすると肘の位置が120〜130度くらい開いてる状態になりますよね。その形で目と的の間にグリップを持ってこようとすると、必然的に肘が伸びて上がっている状態になります。僕も初心者の頃は同じ様に伸ばして構えていたので、当然肘の位置は高かったです。今は構える位置が上下に変わったのではなくて、同じ目線でも手前になったことによって肘の位置が下りてきたんです。

 

肘についてはしっかり固めた方が良いという意見と柔軟性を持たせるべきだという意見と分かれますが、松本選手の考えはいかがでしょうか?
 肘というポジションが変わるのは、肩の関節が動くからなんです。肩関節が可動することによって肘が動くので、僕は肘がどうこうというよりも肩を意識する様にしています。肘・手首・指を動かすために影響しているのは全て肩ですから。最終的なスローの時に、肩からまっすぐ伸びているかが大事なんです。この時肘が多少バウンドしていても、大きな問題はないと思っています。
 肘が上下するのはテイクバックの時だと思うのですが、テイクバックというのを投げるための予備動作として区別できているかが大事だと思います。テイクバックした時の反動を使って投げている人というのは、肘が上下することによって誤差に直結してしまうんです。でもテイクバックした最終点をダーツが前進するためのゼロ地点と考えれば、そこに持って来るまでに肘が動くかどうかはあまり関係ないと思います。マイナスの力からゼロに戻って、そこからプラスの力にしていくスタート地点は毎回同じ。これが重要ではないでしょうか。

テイクバックについて

最終点はあごの下」

 僕はいきなりぐっと引くのではなくて、トントンと前に出る作業をするんです。

 

ユーミングするということですか?
 ユーミングではなくてノックしている感じです。そうすることによって軌道の通り道の最終地点を確認しているんです。僕の場合はそこから倒してくるだけですね。

 

テイクバックの最終点は?
 目線から引っ張ってきた真下になるので、位置で言うとあごの下になります。

 

口の真ん中というよりあごの下なんですね。
 どうしてか分らないんですが、僕は最初の頃と利き目が変わってしまってるんです。以前は右目の前で構えてたんですが、今は中心よりちょっと左側にずれてるんですよ。そのせいでテイクバックが斜めになってきたんですけど、これはあまり良くないことなので治したいのですが、治らなくなってしまったんです(笑)。目線からずれないようにスローするので、テイクバックの最終点は、右目の真下くらいに来るのが理想ですね。

 

そうするとスローはあまり意識されていないようですね。
 そうですね。僕の場合はそれぞれ別々ではなく、全体的な流れとして考えているので。

リリースポイントについて

一点ではない」

 一般的にはリリースポイント=一点ということになるじゃないですか。僕の場合はそうではなくて、誤差を修正するという意味を含めての、リリースのゾーンというものを捕らえる様にしています。
 ここからここまでのエリアだったら、どこで放しても同じ所に飛んで行くというゾーンを作ってるんです。この考え方は昔から変わってないですね。

 

どのくらいの範囲をゾーンとして

10センチぐらいの誤差」

 最初に肘が垂直になるように構えた時の位置が、リリースの始まるゾーンです。ゾーンのスタートのようなものなので、ある意味それがリリースポイントと捕らえることもできるんですが、そこで放して肘が固定されたまま落ちるのではなく、その位置から前への送り出しを作るんです。 その時肘が上がっているように見えるんですが、肘を上げている意識はなくて、ゾーンに向けて持っていくのに対して肘が勝手に付いて来てるんです。この時の送り出しがちゃんと出来ていれば、10センチくらいの誤差は大丈夫ですね。

 

ルーティンについて

こだわらない」

 なんでしょうね(笑)。改めて問われると考えてしまいますね(笑)。
 試合の流れの中で言うと、相手が投げ終わってからですよね。相手が投げ終わって、向こうに歩き始めた瞬間からは自分の世界なので、その世界観を作るために自分を乗せるのもルーティーンだし、相手を威嚇するのもルーティーンの一つとして使うこともできると思います。そういう卑怯なやり方のルーティーンもあるんですよ(笑)。

 

ちょっと遅らせたり速くしたりですか(笑)。
 そのへんの駆け引きを見えないところでやってるんですよ(笑)。もし毎回必ず同じ様に持っていこうとすると、確かに自分の世界は作り易いかもしれないけど、イレギュラーなことが起きた時に修正しにくくなるんじゃないかと。だからあまりルーティーンに頼りすぎると、自分で自分の首を絞める結果にもなりかねないと思いますね。

 

様々なルーティーンを身に付けておいた方がいいというわけですね。
 そうですね。例えば抜いた後ですが、右回りか左回りかというのがあるじゃないですか。僕の場合はそれもバラバラなんですよ(笑)。

 

そうなんですか!それはすごいですね。
 基本的には右回りじゃないといけないというのがあるし、プロの試合では徹底させた方がいいとは思います。でも例えば、相手がスローラインに立つ時の左右の寄り方によっては、「こっちから戻ったらちょっとはみ出しちゃうから、こっちから帰ってあげよう」とか、これでも相手に気を使って動くので(笑)、毎回違ってしまうんです。
 後で待ってる時に立つ位置も、ちゃんと決めてる人がいるじゃないですか。僕はそれも、後から見てるお客さんが見え易いように「こっちに立った方がいいかな」とか、いろいろ気を使ってるんです(笑)。こんな感じなので、あまりルーティーンというのにこだわってはいないですね。

ダーツの飛び

「最も重要なこと」

 それが一番ですね。僕の中では飛びが全てだと思っています。例えばブルに入ったとしても飛びが汚なかったら、「それは0点でいいです」くらいの気持ちです。

 

揺れてるダーツは嫌ですか?
 僕の場合は、ダーツが軌道をなぞる様に、トレースするように飛んで行くのが理想なので、抜いたりして飛ばすのはありえないんです。それって「入れたんじゃなくて放ってるだけだよね」って感じで、とにかく『飛ぶ』というのは『投げる』とは違うんだというのを常に言ってますね。『飛んで行く』ということは、ダーツが滞空中にバランスを保って、チップが迷うことなくターゲットに向かうことだと思うんです。それがホップしたり抜いてダーツを投げる人というのは、軌道からチップがずれてるわけじゃないですか。それを毎回やるというのは、そうとう技術がいると思うんですよ。それよりも軌道をなぞるように飛ばした方が、誤差は少ないと思いますね。

 

自分なりの軌道をある程度作り上げた方がいいというわけですね。
 そう思います。例えば玉入れで、ただボールが入ればいいやというのではなくて、こう投げたからこう入ったという、明確なものを掴んだ方がいいと思うんです。物事には結果に行き着くまでの過程がありますよね。僕はその過程をきちんと理解していないと、なんか気持ち悪いんです。

 

練習方法

その時のコンディション」

 理想で言えば、朝起きて、アップの時間があって、一試合やりました、30分空けました、2試合目やりました、という擬似的な練習を本番前にやりたいですが、そんなことできる人はまずいないですよね(笑)。なるべく疲れない様に練習することは大事なんですが、疲れた状態で試合に出なくてはならないこともありますから、疲れた時の練習というのもまた必要なんですよね。
 難しいんですが、調子の良い時もあれば悪い時もあり、疲れている時もあれば疲れていない時もある。とにかくどういう状態でも、「自分のコンディションをなるべく良い方向に持って行く様に練習する」ことが大事だと思うんです。例えばずっと一人で投げ続けていたら、確かに感覚は研ぎすまされてきますが、それが練習になっているかどうかは疑問です。気持ちを上げることにしかならないので、技術的な練習にはなってないと思うんです。メンタル面を鍛えたい時はこういう練習の仕方もするし、その時必要な練習を必要なだけするので、いつも決まった同じ練習というのはないですね。

スピリットについて

ガッツポーズしたいな」

 野心ですね。これはプロとして同じステージに立つ選手なら年上も年下も関係ないわけで、どのプレイヤーに対しても野心を持ちたいと思います。
 始めた頃は、自分よりダーツ歴が長くて上手い人がたくさんいて、その人に勝ちたい一心で頑張りました。必死に戦って勝てた時は嬉しくて、思わず「よっしゃー!」という言葉が出るのが自然でした。それがだんだんダーツ歴を重ねて、経験でも立場的にも上だというのが増えてくると、勝ててもその「よっしゃー!」というのが出ないんですよね(笑)。
 試合をした時にダーツ歴の浅いプレイヤーから「嵐さんに憧れて投げ始めたんです。対戦できて嬉しかったです」と言われると、「じゃあこれって、チャレンジマッチみたいなノリだったわけ!? 」って話になるじゃないですか。チャレンジマッチでガッツポーズするプロ選手もいないですよね(笑)。こういうシチュエーションが増えて、だんだん立ち居振る舞いが難しくなってきたんですよ(笑)。
 これは今年のスローガンでもあったんですが、プロとしてトライするんだから、勝った時はその喜びを爆発させたいと思いました。今は、僕よりダーツ歴は浅いけど実力のあるプレイヤーは何人もいます。そういうプレイヤーと対戦した時に、一生懸命戦って勝てたとしても、なかなかガッツポーズしにくいんですよね(笑)。
 そこでガッツポーズできるようになりたいですね。それを見せることによって、選手が熱く戦っているというのをお客さんが感じてくれて、白熱したオーディエンスというものを作っていきたいですね。

最後に一言

ダーツを楽しもう」

 ダーツプレイヤーが増えるのと同時に、ダーツを見る人もそれだけ増えてきていると思うんです。プロ試験に合格さえすればプロプレイヤーと呼ばれる訳ですが、試合に勝って、観せるダーツが出来て、トッププレイヤーと呼ばれている人はほんの一握りだと思うんです。僕もそういう観せるダーツが出来るプレイヤーになりたいと思っているので、先ほどお話ししたガッツポーズをしたりしてオーディエンスを湧かせたいですね。ダーツをもっと観るスポーツとして盛り上げて、足場を固めていきたいんです。
 観せるダーツの最高峰と呼ばれているのはPDCだと思います。PDCには「ダーツはやったことがないけど、とりあえず観に来た」という観客も多いでしょう。ダーツバーにも、「ダーツはやったことがないんです」という人も来ます。それは単純に技術を見に来る人もいれば、投げているプレイヤーと周囲の雰囲気を楽しみに来ている人もいると思うんです。だからプロプレイヤーは、常に人に見られているということを意識してほしいし、プレイヤー以外の関係者は、観客の人達がより楽しめる環境づくりを目指してほしいと思います。
 例えば、プロ選手達の表裏をもっと見せてあげるのもいいと思います。勝って喜んでいるプレイヤーもいれば、負けて控室で涙を流すプレイヤーもいるわけです。そういう雰囲気を、見る側の人達にも共有してもらいたいです。
 NDLさんを始めメディアの方達も、様々な視点からダーツを楽しめるような工夫をしていただきたいと思います。

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